石井ゆかりの星占い「2024年下半期、星はどう動く?」

石井ゆかりの星占い「2024年下半期、星はどう動く?」

2024年下半期に注目すべき星の動きについて、「石井ゆかりの星読み」より出張・空模様解説。
天体が織りなすストーリーを優しく翻訳してくれる、石井ゆかりさんのイメージの世界をお楽しみください。

はじめに

こんにちは、石井ゆかりです。
2024年下半期の星回りのポイントは、すべて「ホット」な雰囲気を醸し出しています。
すでにこれだけ戦争、紛争のニュースが世界を駆け巡る中、「熱」を感じさせる配置は全くありがたくないのですが、星回りには「熱」がこもっています。
とはいえ、非人道的な暴力やそれへの加担に反対する運動もまた、世界中に広まっています。こうした運動も、熱を帯びた「闘い」です。残酷な暴力の行使を止めようとする「闘い」がより大きな熱量となって、その要求が実現されるならば、「ホット」な星回りも願わしいものと言えるはずです。

なぜこの下半期の星回りが「ホット」なのかというと、火星と冥王星の動きが特徴的だからです。両者はどこか響き合うように動き、人間の熱いエモーションや理想、怒り、力の行使に光を当て続けます。

2024年下半期 全体の空模様

下半期のメインイベントは11月20日、冥王星水瓶座入り「完了」

この下半期、もっとも大きな星の動きは11月20日の「冥王星水瓶座入り」です。
冥王星は2008年頃から山羊座に滞在していましたが、2023年3月から水瓶座への移動を開始しました。逆行をはさんで行きつ戻りつしながら、最終的に今年の11月に「移動を完了」することになるのです。

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2023年〜2024年の冥王星の動き

ちなみに、前回の「冥王星移動完了」は、2008年のリーマンショックの時期だったことが、しばしば話題に上ります。
冥王星は大きな財、世の中を支配するような巨大な力、支配力、マグマのような強大な熱などを象徴します。火の星といえば火星ですが、冥王星はその火星の「ハイアー・オクターブ」とされ、火星の「火」よりもスケールの大きな「火」を管轄するのです。

この、強大な火・力の星が山羊座から水瓶座に居を移すという動きは、時代の節目を感じさせます。冥王星はここから2043年頃まで水瓶座に滞在するので、約20年ほどの「時代」がここでレールにのることになります。

2024年1月21日から9月2日、すでに冥王星は水瓶座にありました。この間に起こっていたことは言わば「予兆」「予告編」「前触れ」「序章」のような動きだったと言えるかもしれません。2024年11月には、その動きが「本格化」していきます。世界中がパッと注目するような、非常に象徴的な出来事が起こる可能性もあります。
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冥王星は大きな経済の動きを扱う星であり、水瓶座は改革や革命と関係の深い星座です。テクノロジーも水瓶座の管轄です。現代の世界を支配する様々な力、支配的な力が、ここでガツンとその所有者を変えることになるのかもしれません。

7月、牡牛座で火星と天王星の同座

この下半期は火星もまた、特徴的な動きを見せます。火星自体が面白い動きをするというよりは、既にある星の配置のあいだで、火星が「舞台回し」をするようなイメージもあります。

まず、6月9日から7月21日まで、火星は牡牛座に位置しています。
2023年後半から2024年5月末にかけて、木星がこの牡牛座に滞在していました。2018年から天王星もここに位置しており、特に今年の4月後半から5月は牡牛座に星が集中、所有や獲得、財、需要と供給に関する変動の大きい時期となっていました。

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6月に入るとこの牡牛座への集中が解除されたわけですが、吉星と入れ替わるように火星が入ります。天王星は突発的な変化や「革命」などを扱う星であり、火星は情熱や闘争の星です。両者が牡牛座に同座するこの時期は、かなり鉄火な雰囲気に包まれます。
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「奪い合い」のイメージも浮かびますし、すでにある価値の体系が破壊されるとか、経済活動に大変動が起こる、といったことも考えられます。「前の基準に戻る」ことが難しいような変化が起こる可能性があります。

個人の生活の中でも、所有や経済活動、物質、お金にまつわる変動の大きい時です。特にそういったテーマに関して、衝突や摩擦が起こりやすいはずです。
また、経済的な自立に向けてドラスティックなアクションを起こす人、自分の権利のために新しい闘争を開始する人、経済的な力関係・支配関係を一変させる人もいるかもしれません。
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お金はしばしば、人を縛ります。たとえば「ここから離れたいけれど、お金がないから動けない」「経済的な事情で、困難の多い状況に留まっている」という人は、世の中に本当にたくさんいます。
そうした状況から、びっくりするような方法で脱出を図る人が、この時期は多いのではないかという気がします。

8月、双子座で火星と木星の同座

7月21日に火星は双子座入りし、木星と同座することになります。
9月5日までの火星・木星同座は、激しい議論、熱いコミュニケーションの盛り上がりを感じさせます。

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宗教論争のようなイメージも浮かびますし、ジャーナリズムの世界での何らかの闘争、激論の気配もあります。個人の生活の中でも、熱く語り合うか、あるいは激しい論戦を闘わせるような場面が増えるかもしれません。「舌禍」も気遣われる配置です。

双子座、そしてこの時期はまだ冥王星がいる水瓶座も、風の星座です。風の星座は上記の「コミュニケーション」の他に、取引、ビジネス、交換、移動、関係などを象徴します。さらに、知識、テクノロジーも風の星座の管轄です。こうしたテーマがこの時期、熱を帯びて盛り上がりそうです。交通や流通におけるトラブルの可能性もあります。

牡牛座は「それは誰のものか」「所有」をテーマとしています。一方の双子座は「それをどう取引するか」「それをどこに持っていくか」「それにどんな意味があるか」を問う世界です。既に獲得し、所有しているものを「どう動かすか」が、この時期のテーマです。

9月から10月、蟹座火星と山羊座に戻った冥王星の180度

9月頭は、この下半期のもう一つの「山場」です。9月2日に冥王星がいったん山羊座に戻り、9月5日に火星が蟹座入りするのです。

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蟹座と山羊座は180度の位置関係にあり、「ポラリティ」で結びついています。両者は靴下の表と裏のように、表裏一体の世界なのです。どちらも「守る」ことをテーマとしています。内側の世界と外側の世界を分け、固い甲羅や社会的な力で、大切なものを守ろうとする星座です。

火星、冥王星という「熱」の星が、この「守る」世界で拮抗する配置は、ナショナリズムや「大切なものを守るための闘い」を感じさせます。戦争はたいてい、どちらも「やらなければやられる」という、恐怖と防御のリクツで正当化されます。
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個人の世界でも「逆ギレ」という言葉のように、怖いから、守りたいから、過剰に攻撃的になってしまう、という人は少なくありません。「怖い」という気持ちは、敵と味方をハッキリ二分しようとします。大切なものを守りたいという情熱は、敵か味方か、過剰に白黒つけたがる思いにつながります。この時期、そうした流れが先鋭化する可能性も考えられます。

とはいえ、この動きはどこか、反動的でもあります。つまり「古い」のです。なぜかと言えば、これは山羊座冥王星時間の残照のような配置だからです。冥王星は既に、水瓶座への移動を開始しています。一時的に戻ってきているだけなのです。故にこの時期の「闘い」は、新しい力の世界に向かう時の、古い力からの最後の反撃、といった意味合いのものなのかもしれません。

火星は11月4日に獅子座に移動しますが、年明けに再び、蟹座に戻ります。そして2025年4月半ばまで長期滞在します。ですがその時期には、冥王星は水瓶座へと移動を完了しています。
この2024年9月から10月の「闘い」は、古い力の体系からの卒業のための闘い、と言えるのかもしれません。

11月から年明け、獅子座火星と水瓶座に入った冥王星の180度

11月4日、火星が獅子座に移動します。そして20日、前述の通り、冥王星が水瓶座に移動異動します。これも、蟹座-山羊座の位置関係と同じ、ポラリティの組み合わせです。
9月から10月に蟹座と山羊座でにらみ合っていた火星・冥王星が、今度は獅子座と水瓶座に位置を移して対峙することになるのです。

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獅子座は自己主張、自己表現の星座です。水瓶座は客観と友情の星座です。獅子座は「自分」を中心とした価値観、水瓶座は「みんな・他者(複数)・世の中」を中心とした価値観を司る世界です。獅子座は王様の星座、水瓶座は開かれた共同体の星座、とも言えます。
どちらもオープンで、堂々としていて、高い理想を掲げます。
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獅子座・水瓶座で対峙する火星・冥王星は、「新しい形の闘い」を連想させます。ヒーローがいるような闘い、センセーショナルな闘い、古い闘いを打破するという華やかなプレゼンテーションを伴う闘い、などのイメージが浮かびます。
イメージ戦略、プロパガンダなどもこの配置と繋がる気がしますが、人々が「闘い」に対して抱くイマジネーションに、この時期、劇的な変容が起こるのかもしれません。闘いの意味が変わり、受け取られ方が変わり、先行きが変わるのかもしれません。

火星は一度蟹座に戻った後、年明け4月半ばから6月半ばに再度、獅子座入りします。この年末に起こったことは、2025年春から初夏の「その続き」に繋がっていきます。

獅子座も水瓶座も、「みんなの後をついていく」ような従属的な発想とは無縁です。「誰がなんと言おうと、自分はこう考える」というのが、獅子座-水瓶座ラインのスタンスです。
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蟹座-山羊座はどちらかと言えば「みんなで足並みを揃えたい」というところがあるのですが、獅子座-水瓶座はそうではないのです。あくまで、自分自身の意見、自分自身の信念を追い求めます。

獅子座はそれが「自己」に立脚し、水瓶座は「客観的思考」「批判精神」に立脚する、という所だけが違います。水瓶座は「他者」「世の中」を見渡す星座ですが、それはみんなと足並みを揃えるためではなく、あくまで、自分として最も正しいと思える答えを探すためです。自分が出した答えが周囲と違っていても、水瓶座の人々は(それほど)意に介しません。

ゆえに「一番無難な選択肢はなにか?」「自分は周囲から浮いていないか?」などという発想は、この11月以降はまったく機能しないかもしれません。「浮かないように」と思う人ほど逆に「浮いて」しまうような、そんな状況がこの年末から2025年の世界を覆うのかもしれません。

上半期の星の動きをおさらい

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石井ゆかり
いしいゆかり

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。「12星座シリーズ」(WAVE出版)は120万部を超えるベストセラーに。「愛する人に。」(幻冬舎コミックス)、「夢を読む」(白泉社)等、著書多数。累計発行部数は520万部を超える。

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